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学生インタビュー:鈴木瑛士さん(デザイン学部 デザインマネージメントコース)

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問いかけるデザイン

デザイン学部 デザイン学科 デザインマネージメントコース

鈴木瑛士さん

テーマとしてはVR(バーチャル・リアリティ)があります。これからより身近なコミュニケーションツールとして普及していったときに、人間にどんな影響を与えるか、そのことについて考えてもらえるようなインスタレーション作品になればと思っています。

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物語の主人公は、自分の生きている現実の社会に幻滅していて、VRの中で(アバターを用いた)二重生活をしています。VRの中で生きていくことに希望を見出し、現実とバーチャルの境界を越えようとしています。主人公は、現実を否定的、VRを肯定的に述べているのですが、どちらがいいのか作品を見た人にその部分はゆだねる形をとろうと思っています。VRに限らず、ロボットと人間、AIと人間など、テクノロジーに合わせて人間は適応していき、結果、いろいろな選択ができるんじゃないのかなと考えていています。同時に、人間を人間たらしめるもの、どこまで行ったら人間じゃなくなるのかとか自分でなくなるとか、そうしたことを考えざるを得ない状況になるのではないでしょうか。テクノロジーが普及して誰もが日常的に使うようになっていくと、そういった問題を置き去りにされてしまうのではないかと思います。テクノロジーは、豊かさや便利さを与えてくれるものですが、使い方によってはモラルの低下を招いたり、依存してしまうような人が出てきます。こうした展示で、一旦立ち止まって自分はどうしていけばいいのか、考えていただければと思っています。

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「スペキュラティブデザイン」という、未来はこうもありえるのではないかという憶測を提示し、問いを創造するデザインの方法論があります。デザインは、社会や生活などを豊かにする提案を行うことが目指すべきところなんですが、スペキュラティブデザインのように問いを提示することもデザインの一部としてあって、すごく重要なことではないかと思います。自分はテクノロジーとどうやって付き合っていくか、作品の背景にあるものはどういったものなのか、結論を出すことも大事なことですが、まずはそういうことを考えてもらうこと、そのこと自体が重要なんじゃないかなと思っています。

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